相続問題事例
こんにちは。川又司法書士事務所の川又です。
今回は、自筆証書遺言の訂正についてご紹介します。
自筆証書遺言とは、文字通り自分で書くスタイルの遺言書です。令和2年7月10日(金)から、全国の法務局において、自分で書いた遺言書を、1件につき3,900円の手数料で保管することができる自筆証書遺言書保管制度が始まりました。これまで通り自分で書いた遺言書を法務局に預けることなくご自宅で保管していただいても問題ありません。遺言の方式には、他には、公証役場で遺言書を作成する「公正証書遺言」があります。
自筆証書遺言の要件として、全文、日付、氏名の自書、押印があります。
法改正により遺言書に添付する財産目録は、自書でなくてもよくなりましたが、財産目録の各頁に署名押印が必要です。
自筆証書遺言作成中、訂正するときはどのように対応しますか?というご質問をいただいたことがあります。
訂正箇所への押印のみで問題ないとも思えますが民法の規定によりますと
「書き間違った場合の訂正や、内容を書き足したいときの追加は、その場所が分かるように示した上で、訂正又は追加した旨を付記して署名し、訂正又は追加した箇所に押印する。」(引用:法務局のホームページ)ということになっています。
訂正又は追加した箇所に押印だけでは足りないようです。
訂正又は追加した箇所を分かるようにしないといけないようです。
例えば、「上記3中、2字削除2字追加」という記載です。
参考
民法(明治29年法律第89号)第968条【自筆証書遺言】
① 自筆証書によって遺言をするには、遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押さなければならない。
② 前項の規定にかかわらず、自筆証書にこれと一体のものとして相続財産(第997条第1項に規定する場合における同項に規定する権利を含む。)の全部又は一部の目録を添付する場合には、その目録については、自書することを要しない。この場合において、遺言者は、その目録の毎葉(自書によらない記載がその両面にある場合にあっては、その両面)に署名し、印を押さなければならない。
③ 自筆証書(前項の目録を含む。)中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。
訂正箇所がある場合は、大変でなければ最初から全部書き直した方が安心かもしれません。
弊所では、自筆証書遺言の訂正をはじめ、さまざまな遺言に関するご相談や自筆証書遺言保管制度利用支援のための法務局への同行サポートも行っています。
遺言に関するご相談は、川又司法書士事務所までお願いいたします。